変形性股関節症の骨切り手術ってどんな手術?

変形性股関節症は進行が進むと手術適応になる疾患の一つです。

手術療法には骨切り術と人工股関節置換術とがあります。

今回は骨切り術について、手術法や入院期間、手術後の経過や予後などを詳しく説明していきます。

 

股関節の骨切り術とは

 

骨切り術とは文字の通り骨を切り取る手術のことです。骨盤の骨を切る寛骨臼回転骨切り術、キアリ骨盤骨切り術と大腿骨の骨を切る大腿骨骨切り術とがあり、骨の一部を切り取って形を矯正することで痛みの軽減を図り、症状の悪化を防ぐ治療法です。

骨切り術は骨盤の臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)がある場合、症状が進行していない初期の段階の場合で、60歳以下の若年層の方を対象に行われることの多い手術です。

手術自体は1~2時間で終わりますが、骨を切るため、手術後すぐには足に体重をかけることができず、リハビリを進めながら約2カ月の入院が必要となります。

寛骨臼回転骨切り術

骨盤の臼蓋の骨を切り取って、大腿骨を覆う屋根を形成するように移動させる手術です。臼蓋形成不全があり、症状が初期段階の方に行われます。

キアリ骨盤骨切り術

骨盤を水平に切り、内側へとずらして大腿骨を骨盤で覆う形に形成する手術です。臼蓋形成不全があり、症状が進行期や末期の方に行われます。

大腿骨骨切り術

大腿骨の一部を切り取って大腿骨をプレートで固定し、大腿骨頭の角度を変えて骨盤臼蓋(こつばんきゅうがい)と大腿骨頭(だいたいこっとう)との関節面の位置を変える手術です。内側から骨を切り取る手術を内反骨切り術、外側から骨を切り取る手術を外反骨切り術といます。

症状が進行期の方に行われることの多い手術です。

股関節の骨切り術後の経過と予後

手術後1日目からベッドサイドでのリハビリが始まり、手術した足に体重をかけずに車いすやトイレに移乗します。手術後3~4週間目からは平行棒や両松葉杖などを使用して片足で歩く練習を開始し、6週目頃から少しずつ手術した足に体重をかけていきます。全荷重をかけて歩けるようになるには8週間ほど必要で、両松葉杖歩行が行えるようになった頃に退院となります。退院後も外来でリハビリを続け、歩行がしっかり安定するには半年~1年程要します。

骨がしっかりくっついた後はスポーツも可能ですが、接触の多いものやジャンプや捻る動きなどが必要な股関節への負担の大きいものは避けた方が良いでしょう。

自分の骨を温存できる手術ですが、傷んでいる関節をそのまま利用するので痛みが残ることや関節軟骨のすり減りを繰り返すことがあります。人工股関節置換術と比べると入院期間が長く、歩けるようになるまでにも時間がかかるのでスケジュール調整や周囲のサポートも必要です。