人工関節置換術ってどんな手術?

変形性股関節症の治療は保存療法(手術をしないで経過をみる)が基本となりますが、保存療法を継続しても痛みが軽減せず、股関節の症状も進行している場合には手術療法が選択されます。

今回は手術療法のひとつである人工股関節置換術について手術法や入院期間、手術後の経過や予後について説明していきます。

人工股関節置換術とは?

人工股関節置換術は、傷んだ股関節を人工の股関節に置き換える手術で、変形性股関節症の症状が進行した方に対して多く行われます。

人工股関節は大腿骨に代わるステム、大腿骨頭に代わるボール(骨頭)、関節軟骨に代わるインサート(ライナー)、骨盤臼蓋に代わるカップ(ソケット)で構成されており、チタン、コバルトクロム合金などの金属やセラミックなど様々な素材で作られたものがあります。

人工股関節の大腿骨と骨盤への固定は、セメントを使用するセメント固定とセメントを使用しないセメントレス固定があり、日本国内では3:7ぐらいの割合で行われています。

手術の様式には前方アプローチと後方アプローチがあり、病院や症状によってどちらが選択されるかは異なってきます。

人工股関節置換術のメリット・デメリット

人工股関節置換術のメリットは、手術後翌日から手術した足に全荷重をかけることができるので、骨切り術に比べて入院期間、歩行獲得までの期間が短くいこと、傷んだ股関節を人工物に変えるため、手術後の痛みがほぼなくなることです。

デメリットは、体の中に人工物を埋め込むため、抵抗力が弱くなり感染症を起こしやすくなること、人工股関節の構造上、脱臼を起こしやすいこと、衝撃などの負荷に弱く耐久性が10~20年ほどであることがあげられます。

自転車に乗ったり軽いスポーツを行ったりすることはできますが、登山やマラソン、サッカーなど股関節に大きな負担が掛かったり、体がぶつかる可能性があるスポーツは避けなければなりません。

また、日常生活上で脱臼が起きないように深く股関節を曲げる動作や横すわりなどの股関節をひねる姿勢はとらないように気を付ける必要もあります

人工股関節置換術の経過と予後

人工股関節置換術後、翌日より両下肢に全荷重して立位、歩行訓練を始めます。はじめは松葉杖や歩行器を使用して行いますが、徐々に片松葉杖、一本杖と支えを減らして長い距離、時間を歩けるように練習していきます。歩行を獲得して4~6週間程度で退院となります。退院後は必要であればリハビリを継続しながら、定期的に人工股関節の状態を確認していきます。