変形性股関節症に効くお薬は?

変形性股関節症の治療には手術を行わない保存療法と手術を行う手術療法とがあります。

保存療法では整形外科で処方される薬物療法、リハビリなどの運動療法、温熱療法、体重のコントロール、生活様式の変更、鍼灸治療や整体治療などの代替医療などが行われます。

保存療法(手術をしないでおこなう治療)で変形性股関節症の原因である関節軟骨のすり減りや変形を治すことはできませんが、関節軟骨のすり減りや変形が原因で起こる痛みや炎症の緩和や、変形性股関節症によって生じる膝や腰、背中、肩などの二次的な身体の痛み、歩行や動作の行いにくさに対する対処的な治療として行われます。

薬物療法は、変形性股関節症を患いながら生活するために、痛みや炎症の一時的な緩和を行うことを目的として用いられます。

変形性股関節症で使用されるお薬

変形性股関節症そのものを治す薬はありません。

変形性股関節症は先天性の臼蓋形成不全や、股関節脱臼、股関節の器質的な問題を起こす疾患や外傷、加齢などにより、股関節の骨盤臼蓋と大腿骨頭の関節軟骨がすり減り、変形を起こしていく進行性の疾患です。

傷ついた関節軟骨は修復せず、修復を促したり、関節軟骨のすり減りを食い止めたりする薬もありません。

関節軟骨のすり減りや変形が進み、痛みや炎症が起きた場合に、痛みや炎症を抑える目的で消炎鎮痛剤が使用されます。

消炎鎮痛剤は非ステロイド性抗炎症薬が使用されることが多く、飲み薬や、座薬、塗り薬、湿布薬などがあります。

消炎鎮痛剤の副作用として胃炎や胃潰瘍を起こすことがあり、服用することによって胃が荒れやすく、胃痛を伴いやすい方には胃の粘膜を保護する胃薬が一緒に処方されることもあります。

胃炎や胃潰瘍などの副作用が起きにくいCOX-2選択的阻害薬が選択されることもあります。

ロキソニンの重篤な副作用について

変形性股関節症の際に消炎、沈痛を目的にロキソニン系のお薬が処方されることがあります。しかし、ロキソニンによる重篤な副作用が過去3年間で6例報告されています。

小腸・大腸が狭窄、閉塞する副作用が起こりうる可能性がある。と言われています。

ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬は、炎症を引き起こし痛みの原因物質と言われている「プロスタグランジン」という物質の生合成を抑制する働きがあります。

しかしプロスタグランジンは、胃や腸の粘膜を保護する働きもしています。プロスタグランジンの生成をロキソニンで抑えてしまうと胃腸のバリア機能も弱くなり、粘膜が荒れやすくなるのである。

結果、腸に閉塞、狭窄が起こる可能性があります。

 

「湿布」は安易に使用しやすいものですが、プロスタグランジンも体を治すために生成される物質です。それを「痛い」からと言って抑えてしまうと、体に様々な悪影響がでることを頭に入れておいた方がよいです。

 

 

ヒアルロン酸注射は効果ある!?

関節内にヒアルロン酸を注入する関節内注射は変形性膝関節症に良く用いられます。

ヒアルロン酸は関節内で潤滑剤やクッションの役割を行っている成分であり、関節内に直接注入することで、関節軟骨を保護してすり減りの進行を抑え、痛みや炎症を緩和すると言われています。しかし、股関節への関節内注射は保険適応ではないため、行われることは多くはないのが現実です。

 

実際にヒアルロン酸注射をして痛みの改善がみられるケースもあまり多くないため保険適応外でも受けるほどの効果は期待できません。

変形性股関節症を根本改善するお薬はありません。

残念ながら変形性股関節症を根本から改善するお薬はありません。

・旅行中、できるだけ痛みを感じずにいたい

・どうしても歩かないといけない用がある

などやむを得ずに消炎鎮痛剤を使用することは良いですが、根本改善ができないのに安易に「湿布だから平気」と思って使用していると重篤な副作用が起こる可能性もあるため常用はお勧めしません。

 

また、グルコサミンやコンドロイチンなど軟骨成分のとうたわれサプリメントなどが販売されていますが、本当に効果があれば整形外科で処方されているはずです。なのでそれほどの効果が期待できるとはいえません。まれにグルコサミン、コンドロイチンを飲んだ後、痛みが劇的に改善したという方がいますが、その数は決して多い数ではありません。

 

お薬はどうしても痛みを我慢しておこなわないといけない時に使用するようにした方が良いです。常用しているとここぞという時にあまり効きが悪くなるため常用することを控えましょう。