変形性股関節症に湿布は効果がある!?

変形性股関節症は股関節を形成する骨盤、大腿骨頭の関節軟骨がすり減りや変形を起こす進行性の疾患です。

関節軟骨のすり減りが進むと関節の周りの組織が炎症を起こし、痛みが出て歩きにくい、動きにくいなどの症状が現れます。

湿布は股関節の痛みや炎症を和らげるために、保存療法のひとつとして運動療法や温熱療法と併用されます。

関節軟骨のすり減りや変形が進んだり、痛みが強くなったりすると股関節を人工の股関節に置き換える手術を行うこともあります。

 

湿布の種類と効能

湿布には冷湿布と温湿布があります。

冷湿布は貼るとひんやりする冷たい湿布、温湿布はじわじわ温かい感じのする湿布です。

整形外科領域では冷湿布は、貼る場所が熱感を持っている、腫れている、赤くなっている、痛みがある、といった炎症症状がある場合に局部を冷やし、炎症や痛みを緩和する目的で用いられます。

一方、温湿布は、炎症症状がなく筋肉の張りや凝り、慢性的な鈍痛など、筋肉の緊張が高くなることによって起こる痛みを感じる場合に用いられます。

炎症が起こっている場合に温めると、血流が良くなるため炎症を助長し、腫れや痛みが増悪すると言われています。反対に筋肉の緊張が高まっている時に冷やすと、血流が悪くなってさらに重だるい感じや痛みが強くなると言われています。

一般的に急性期の痛みには冷湿布、慢性的な鈍痛には温湿布という使い方がされます。しかし、痛みに関して最近は冷やさないほうが良いという説もなり急性期でも例湿布を使わず、温めたほうがより早期に治るという文献もでてきています。私の臨床経験上、急性期でも冷やさずに温めて血液循環を良くしたほうが改善は早いと感じています。また温める際も温湿布ではなく、物理的にお風呂やお湯、ホットパックなどで温めることをお勧めしています。

温湿布はトウガラシ成分などで皮膚を刺激して温かく感じるものですが、缶コーヒーに貼ってもコーヒーが温まるものではありません。そのため物理的に温めたほうが患部にはこうかてきなので、お風呂やホットパックなので温めることをお勧め致します。急性期に温めると始めのうちは痛みが強く感じます。これは血管を拡張する際に血管拡張物質(プロスタグランジン)という成分が体内にでます。プロスタグランジンがでると人間は「痛み」として感じます。しかし、血管を拡張し血液循環を良くし、組織の修復を早めてくれるのでプロスタグランジンは体内に出たほうが早期に回復が望めます。そのため温めて多少痛みがでても、プロスタグランジンによる痛みであるので治癒に向かっている痛みであるためあまり気にする必要はありません。

変形性股関節症と湿布

整形外科では変形性股関節症で股関節やその他の部位に痛みが生じている場合、運動療法や温熱療法などとともに、一時的な痛みの緩和のために、飲み薬や塗り薬、湿布を利用して経過を見ることがあります。

股関節に炎症が起こって痛みを感じる場合や、歩行や動作が行いにくくなり、股関節以外の腰や背中、肩など負担がかかっている部位の慢性的な痛みを抱えている場合に湿布が使用されます。

しかし、残念ながら痛みを緩和する効果があるかというとそこまで大きな効果は期待できません。むしろ股関節周りの血液循環の改善を図ったほうが良いため湿布を貼るよりも温熱療法で温めたほうがよいでしょう。

変形性股関節症は慢性の経過をたどる疾患ですので湿布を使用して改善方向へ進むということはありません。一時的に痛みが和らいだような気がすることもありますがあくまで一時できです。いずれ必ずシップによる痛み緩和も期待できなくなってきます。

そのため少しでも股関節内の変形の進行を遅らせるためには関節内の血液循環をよくすることを行ったほうがよいでしょう。ご自分でできる一番簡単な方法はお風呂やホットパックなどでよく温めることです。