変形性股関節症の方の歩き方

変形性股関節症の症状は、症状の進行とともに股関節の痛みが強くなり、歩いたり動いたりすることが行いにくくなります。

初めの頃は、長時間歩いた後や動いた後に股関節に痛みを感じる程度で休むと痛みはなくなりますが、徐々に歩き初めや立ち上がった時、起き上がった時などの動き始めに股関節の痛みが出るようになります。さらに、動いている時、歩いている時はずっと痛みが伴うようになり、やがてじっとしている時や寝ている時でも痛みが出るようになります。

歩くときには、変形性股関節症の方の足をかばうように引きずって歩き、左右の足を同じように前に出して歩くことができなくなります。このような非対称な歩き方を跛行(はこう)といいます。

変形性股関節症でみられる跛行

変形性股関節症の方に跛行が見られる原因は、股関節の痛みだけではありません。

変形性股関節症の症状が進行すると股関節の関節軟骨がすり減り、股関節の骨盤臼蓋と大腿骨頭の間の隙間がなくなります。元々あった隙間がなくなるため、骨頭の位置が上に上がり、足の長さが変形性股関節症ではない足よりも短くなるという現象が起きます。

左右の足の長さに差が生じると短い方の足を引きずるようにして歩くようになります。

また、変形性股関節症では股関節の動く範囲が狭くなり、股関節周囲の筋力低下も起こります。股関節周囲のお尻や太腿の筋肉、特に股関節の外転の動きに作用する筋肉は歩くために重要な筋肉です。

股関節の外転筋の筋力低下が起こると足を上にあげたり、前に出したりすることが行いにくくなるため、それを補うように骨盤や身体を傾けて歩くようになります。

トレンデレンブルク徴候やデュシェンヌ現象がその例として挙げられます。

トレンデレンブルク徴候、デュシェンヌ現象とは

トレンデレンブルク徴候とは、股関節の外転筋の機能不全がある足で片足立ちになった時に、反対の足の方に骨盤と身体が下がる方に傾く状態をいいます。

デュシェンヌ現象とは、股関節の外転筋の筋力低下がある足で片足立ちになった時に、片足立ちになった足の方が下になるように骨盤と身体が傾く現象をいいます。

変形性股関節症で股関節外転筋力の低下のある方が歩く場合、変形性股関節症がある方の足で支えるとき(歩行立脚時)にトレンデレンブルク徴候、デュシェンヌ現象がみられる場合があります。

股関節の外転筋の代表とされる中殿筋力の低下がある場合には、トレンデレンブルク徴候とデュシェンヌ現象が合わさったような歩行が見られ、中殿筋歩行と呼ばれます。

変形性股関節症の人はどのように歩けばよい?

変形性股関節症が進行してくると「歩いていても痛い」「足が前に出ずらい」などの症状がでてきます。

「足が出づらいので母指球で強く地面を蹴ろう」と意識して歩く方がいらっしゃいますがこれは大きな間違えです。

一般的な正しい歩き方ではかかとから着地し、足の外側を通って最後に母指球で蹴ることを推奨していますが、私は骨の連動性を使った歩き方のほうが股関節や他の関節にも負担なく歩くことができると考えています。

ではその歩き方はどのように歩くかというと足裏全体で着地し、最後中指から抜けるイメージです。フラットに着地をし、母指球で蹴らず中指で蹴るといよりそのまま進む(中指から抜ける)という感じです。

この着地の仕方は足の構造上、足に負担の少ない歩き方になります。かかとで着地、母指球で蹴る動作を繰り返していると下肢にゆがみをおこす原因になり、結果的に股関節への負担も増してしまいます。フラット着地から中指で抜ける歩き方をイメージして実践してみてください。この歩き方は飛脚などがおこなっていた足の使い方と言われています。1日200キロも走っていたのに足を痛めなかったのですから足に負担のない足の使い方であることは間違いありません。