変形性股関節症を予防するには?

変形性股関節症は先天性の臼蓋形成不全や股関節脱臼がある場合に起こりやすいと言われています。しかし、生まれ持ってではなく、生まれてから発達していく過程で、股関節の形成が何らかの要因で妨げられ、股関節の形成不全が起こるという考え方がされており、発育性股関節形成不全という言われ方もします。

他には感染症や外傷などにより変形性股関節症となる場合があり、このような股関節の器質的な原因や感染、外傷などの要因により起こる変形性股関節症を二次性変形性股関節症と言います。

明らかな要因がなく変形性股関節症を発生した場合を一次性変形性股関節症と言いますが、これは遺伝的要因や生活背景、加齢などの様々な要因によって、股関節へ負担が積み重なり発症すると言われています。

一次性変形性股関節症を予防するには?

年齢を重ねるごとに関節軟骨の成分のひとつであるプロテオグリカンの減少や変性が起こり、関節軟骨の変性が進むこと、加齢に伴う筋力低下がみられること、生活習慣の中で股関節に大きな負担がかかるようなスポーツや仕事をしていたこと、変形性膝関節症などの疾患により非対称な姿勢での歩行を続けていたこと、女性であること、肥満であること、などが一次性変形性股関節症を起こす原因とされています。

歩行するとき、片方の足の股関節にかかる負荷は体重の約3倍と言われています。

股関節への負荷をかけすぎないためには、体重のコントロールや、対称な姿勢で歩行する筋力を保つために適度な運動を続けること、生活習慣や生活様式の見直しを行うことが大切です。

女性は男性に比べて変形性股関節症になるリスクが高いと言われています。これは骨盤の形状や男性に比べて筋力が弱い、出産時の骨盤のゆがみなどが原因と言われています。女性は出産があるためリラキシンというホルモンがでて関節を支えているゴムバンド(靭帯・じんたい)が緩むような構造になっています。

しかし、リラキシンの影響で靭帯(じんたい)が緩むと関節は不安定になり、関節にかかる負担が大きくなると言われています。そのために変形性股関節症や変形性膝関節症は女性のほうがなりやすいと言われています。

出産経験のある方は産後の骨盤のゆがみをそのままにしている方もいます。骨盤は股関節を作っている骨の一つです。骨盤がズレていると股関節の角度(骨盤の骨と太ももの骨)は正常角度ではなくなるため、股関節にかかる体重の負荷が増えてしまいます。

出産後、しっかりと骨盤の位置を正し、股関節に負担のかけない状態にしておくことが変形性股関節症の予防になります。

また、足首捻挫(あしくびねんざ)も変形性股関節症の原因のひとつと言えます。足首捻挫をして、ただアイシングをするだけてズレた骨の矯正をしていないと、徐々にゆがみはスネ、膝、太ももと上がってきてやがて股関節にもゆがみを引き起こします。ゆがんだ状態で生活を送っているとやがて数年後に変形性股関節症になる可能性があります。

変形性股関節症を予防するには過去の捻挫をしっかり治しておくことも予防の一つです。

特に大事なのが糖質制限です。糖質過多の食生活を送っていると関節内に炎症反応が起こりやすく痛みを助長します。また、血糖値の高い血液はドロドロ状態となり、毛細血管の流れは悪くなり、関節内への栄養がいきわたらなくなるため、関節軟骨のすり減りが進行します。変形性股関節症の方は多くの方が甘いもの好きです。砂糖系のお菓子を摂るのをやめたほうがよいでしょう。糖質制限をするだけで変形性股関節症の予防になります。

二次性変形性股関節症を予防するには?

発育性股関節形成不全は女の子や逆子に多いことなど遺伝的、内因的要素と、生まれてから股関節が発達していく過程で成長が妨げられるような要因とにより起こるものとされています。

股関節がこれから形成されていく、生まれて間もない時期に、股関節の運動を妨げるようなきついオムツやズボンなどの着用は避け、ゆとりのある衣服を着せてあげる必要があります。また、赤ちゃんを抱っこするときに、赤ちゃんの自然な足の形である両股を大きく外に開いて膝を曲げた状態で抱っこすることが大切であり、股関節をまっすぐ伸ばした状態や股関節が外側から強く押されている状態、左右の足の恰好が違う状態などで抱っこすると、赤ちゃんの浅い股関節が脱臼しやすい状態となります。

赤ちゃんの着るものや抱っこの仕方に注意することで、発育過程で起こりうる股関節の異常を防ぐことができます。