半月板に痛覚はあるの?

半月板損傷の患者さんは、痛みはもちろんのこと、膝の「引っかかる感じ」や「グラグラする感じ」、膝の腫れなどを訴えられます。膝の痛みがあるということは、当然、半月板には痛みを感じる神経が走っていて、痛みを感じる受容器(痛覚)があると思いますよね。でも、実際はどうなのでしょうか?半月板には痛覚が存在するのでしょうか?詳しくみていきましょう。

 

半月板の痛覚とは?

通常、軟骨には神経、血管は通っておらず、もちろん痛覚もありません。変形性膝関節症で関節軟骨がすり減って痛みが出ても、その痛みは関節軟骨自体の痛みではなく、周囲の滑膜や関節包などの組織が、すり減った関節軟骨のかけらや削れて滑らかではなくなった関節軟骨の形状によって刺激され、炎症を起こし、出ている痛みや、関節の動かしにくさから、筋肉や靭帯などの組織が緊張し、こわばりなどを生じて出現している痛みなのです。

 

関節を構成している関節包や滑膜、骨膜、筋、脂肪体、血管などの組織には、感覚受容器があり、損傷や炎症などの侵害刺激による痛みを感じる自由神経終末が存在しています。半月板は軟骨組織であるため、痛覚は存在しないと一般的には理解されていますが、半月板にも痛みを感じる感覚受容器が存在するのです。しかし、半月板の内側の大部分には神経や血管は通っていません。Cの形の外側の縁の部分にのみ血管と感覚受容器があるのです。ですので、半月板の損傷そのものの痛みが生じているというよりは、損傷によって、普段は脛骨の上に安定して位置している半月板の不安定性がみられることによって、外側の縁と付着している関節包が刺激され、炎症が及び、痛みが生じると考える方が良いでしょう。特に、内側半月は、外側の縁全体が関節包と密接に付着しているので、内側半月の外側の縁の部分が損傷を受けた場合は、半月板外周と関節包への炎症に影響して痛みが強く出やすいと考えられます。周囲の組織に炎症が及んで、水が溜まると腫れの症状が見られます。

 

半月板損傷は、大腿骨の後方と、脛骨の前方をつなぐACL(前十字靭帯)損傷を伴うことも多くみられます。靭帯や筋肉、腱の血管や神経の分布は、関節を構成する組織よりも多く、痛みも感じやすいため、半月板損傷の痛みよりも前十字靭帯の損傷の痛みが出ている場合も多くあります。半月板が断裂して、大腿骨に挟まっている場合も周囲の組織を刺激して、強い痛みを伴います。

半月板損傷は半月板そのものによる痛みではなく周辺組織から感じる痛み

以上のことから、半月板の外縁には感覚受容器は存在しますが、痛みを感じる程度としては弱く、表立って出ている痛みは、半月板の損傷により、付着する関節包へ刺激が加わり、炎症を起こすことによって起こっている痛みや、半月板損傷と合併する靭帯の痛みであることが多いということが言えるでしょう。

痛みそのものが半月板損傷と診断されていても半月板からでているものではないので、関節包の炎症を取り除き、半月板損傷により起こった大腿骨と脛骨のアンバランスを整え、関節周囲の血流改善をすれば手術をおこなわなくても痛みが改善する可能性があります。

半月板損傷=手術と安易に考えず、まずは痛みの原因となっている膝周囲の原因を取り除いてみてそれでも痛みの改善、機能不全がある場合は手術という選択を選んだほうが良いでしょう。

症状について詳しくはこちら

半月板損傷の治療

関連記事