半月板損傷の切除術(クリーニングとは?)

半月板の手術療法には損傷した部分を取り除く切除術と縫い合わせる縫合術とがあります。以前は切除術が一般的な方法として行われていきましたが、現在ではできるだけ半月板を温存する方向で、縫合術が適応にならない場合に切除術が選択されます。切除術について詳しくみていきましょう。

半月板損傷の切除術

半月板損傷の切除術は縫合術の適応とならない半月板辺縁部以外の断裂やL字型断裂、変性の著しい場合に行われます。半月板全てを切除するのではなく、損傷している部分のみを切除する部分切除が主流です。断裂している半月板を切除することで、断裂による痛みや膝の引っ掛かり感を取り除くことを目的として行われます。切除術の場合は、切り取った部分は半月板が部分的に欠損している状態となります。そのため、関節軟骨に負荷がかかってすり減りを起こしやすく、将来、変形性膝関節症となるリスクが高くなります。特に立ち仕事・重作業中心の方やスポーツをしている方など、日常的に膝に負荷がかかりやすい方は、早期に関節軟骨のすり減りが問題になってくる場合が多くみられます。切除術は縫合術に比べて入院期間が短く、最短で4日間ほどの入院で済みます(症状や病院により1週間~10日程度かかることもあります)。手術後は、術後1日目より関節可動域訓練、大腿四頭筋の筋力増強訓練、松葉杖歩行が開始されます。状態に応じて片松葉杖歩行または独歩で退院となります。スポーツ復帰をする場合は、さらに膝関節周囲の安定性の向上、下肢・体幹の筋力増強、運動時の姿勢の確認・修正などを行います。術後1か月程度でウォーキングなどの運動を開始し、徐々に負荷をかけながらリハビリを進め、約2~3か月後の復帰を目指します。

半月板損傷の切除術、具体的な手術の方法

関節鏡視下手術といって、膝に1センチぐらいの穴を2~3か所開けて、そこから関節鏡や電気メス、鉗子などの器具を入れ、モニターに関節内の様子を映し出しながら手術を行います。

 

・横断裂:半月板の内側に切れ込みが入っている状態で、切れ込みが入っているところまでCの形を深く削るように切り取ります。

・水平断裂:半月板の層に水平に断裂が起こっている状態で、断裂部分の脛骨側または大腿骨側のどちらかを取り除くように切り取ります。

・バケツ柄状断裂:半月板の一部に空間ができるように断裂が起こっている状態で、断裂の外側の面に沿って内側を全部切り取ります。

・フラップ状断裂:一部分がめくれたように断裂している状態で、めくれている部分を切り取ります。

 

断裂部分を残さないように切除を行いますが、血流があり、固有受容感覚が存在する辺縁

部はできるだけ残すように切除されます。

半月板切除術は最後の手段

上記でも説明したように半月板切除術をおこなうと、関節軟骨に負担がかかり、変形性膝関節症を招く可能性が極めて高くなります。そのため現在は縫合術が主流となっています。いきなり半月板の切除術を勧めてくる整形外科は疑いをもち、セカンドオピニオンを探した方が良いでしょう。半月板自体は痛覚はなく、膝に痛みを感じるのは周辺軟部組織の痛みだと言われています。そのため、半月板を切除しても痛みが改善しない場合もあります。

半月板損傷は手術というイメージが大きいですが、まずは手術ではない保存療法で痛みの改善がみられるか様子をみて、それでも改善しない場合は縫合術という選択をすることをお勧めします。

 

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半月板損傷の治療

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