半月板は手術で切除しても平気な組織?

半月板損傷と診断されて手術をすることを勧められたら、本当に手術で半月板を切除しても良いのかと悩みますよね。半月板は手術で切除してしまっても良い組織なのでしょうか?それとも、やはり半月板は切らずに置いておいた方が良いのでしょうか?

半月板を切除すると

半月板は上下を太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)それぞれの関節軟骨に挟まれた形で位置しています。軟骨と半月板で成されているサンドイッチ構造によって、膝にかかる荷重や衝撃をクッション様の働きによって分散し、膝関節の滑らかな動きをもたらしているのです。

 

切除した半月板が元に戻ることはありません。軟骨の内側に位置し、膝にかかる負荷を分散して衝撃を和らげる働きをしている半月板を切除するわけですから、半月板がなくなった部分は、関節軟骨同士に直接負荷がかかるようになります。関節軟骨へ繰り返しかかる負荷によって関節軟骨が傷つき、将来、変形性膝関節症となるリスクが高くなります。

 

やっぱり、半月板は切除しない方が良いの?と思ってしまいますよね。では、切除せずに置いておくとどうなるのでしょうか?

半月板損傷を手術しないで放っておくと?

半月板損傷でロッキング(損傷した半月板が関節内でひっかかり、激痛を伴って膝が伸びなくなる現象)やギビングウェイ(階段を降りる時に踏ん張れず、ガクッと力が抜けて膝折れしてしまう現象)がみられる場合はそのままにしておくと、まずは日常生活がままならなくなります。ロッキングやギビングウェィがみられなくても、半月板損傷をそのままにしておくと、通常は表面が滑らかな半月板が損傷によって凹凸が生じたり、めくれ上がったり、大きく動いたりするので、半月板周囲の関節内組織とぶつかりやすくなります。半月板自体の損傷も次第に大きくなり、繰り返し炎症が起こることで関節内に水が溜まりやすくなり、痛みは慢性化します。関節軟骨などの周囲の組織も繰り返し傷つき、変形性膝関節症へと進むことになるのです。

半月板は切除しても平気なの?

半月板を切除すると半月板の機能が戻ることはないので、半月板を切除しても平気なことはありません。上記でも説明したように関節軟骨同士が直接ぶつかりあうようになるため、変形性膝関節症になるリスクを上げることになります。

変形性膝関節症は現在症状を有する人数が約1000万人と言われています。潜在的な患者数(X線診断による患者数)は約3000万人といわれています。変形性膝関節症は50歳以降になることが多くそのことを考慮すると50歳以降で二人に一人は変形性膝関節症を患う可能性があり、六人に一人は変形性膝関節症で痛みを訴えているのです。

これは現在の状況です。今の10代~40代の方が50歳以降になった際にはその数字は大きく変わるのではと、私は推測しています。なぜかというと今の70代~90代の方が幼少期の頃は今ほど車や電車などの移動手段がなかったため、よく歩いていました。そのため足腰は比較的強いのです。

今現在10代~40代の方は交通手段が車や電車などでの移動が多く、歩く時間が極端に減ってしまいました。そしてスマホの普及により姿勢が悪くなり、背骨が歪むことで骨盤もゆがみ下肢の関節にもゆがみも起こってきています。最近の小学生は足が歪んでいる子たちがとても多いです。

歩く距離が少ない。骨盤から下肢にゆがみがある。これだけでも変形性膝関節症になるリスクはとても大きくなります。

それに加えて食生活がかなり乱れています。カルシウム不足などミネラル不足の人たちが多く、骨が弱く、血液循環が悪くなることで変形性膝関節症のリスクをさらにひきあげます。

 

このように我々10歳~40歳世代は50歳以降変形性膝関節症になるリスクを相当背負って歳を重ねることになります。

 

そんな中、半月板を切除して変形性膝関節症になるリスクを上げてしまうことになると・・・

 

昔よく歩いていた世代でさえ六人に一人が痛みを訴えている状況なのにもかかわらず・・・

 

かなり高い確率で変形性膝関節症になる可能性があります。

 

10代、20代で半月板切除をしても変形性膝関節症になるのはまだ先の話です。何十年後かに医師が責任を問われることはありません。(半月板切除が変形性膝関節症の直接原因とは断定できないからです)

 

しかし、半月板を切除せずに温存しても半月板内側縁の損傷である場合、半月板の損傷部位は治ることはありません。しかし、半月板そのものが痛いわけではなく、半月板のズレによる痛みやその他の軟部組織の痛みであることが多いです。そのため、まずは手術という選択をせず、できるだけ温存療法で治すことをお勧め致します。

 

手術をせず、他の治療もおこなわず、ただ安静にしているだけで、それでもロッキングやギビングウェイがでてしまっているのにそのまま損傷した半月板を放っておくと行く行くは、関節軟骨が傷ついて変形性膝関節症になるリスクが生じることとなります。

 

今の自分、将来の自分にとってどちらを選択する方が良いのかについては、専門の医療機関の先生と半月板損傷の状態、自分の生活環境(日常生活、仕事、スポーツなど)、年齢などを踏まえてよく相談しましょう。セカンドオピニオンを利用し、医師やリハビリを担当する理学療法士、代替医療(鍼灸、整体)の先生などの様々な方の意見を聞くこともお勧めです。

症状について詳しくはこちら

半月板損傷の治療

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