半月板は再生するのか?

半月板損傷では痛みや膝の不安定感などに悩まされ、半月板の手術をするかどうかを迷っている方もいらっしゃることでしょう。半月板の辺縁部で起きた損傷に対する縫合手術の場合は、損傷した半月板が修復する望みがあります。では、一度傷つき、切除した半月板は再生することはないのでしょうか?

半月板の修復と再生

半月板の修復とは、損傷を受けた部分を縫合することによって、損傷した部分が再びくっつくことを言います。これは、血行が多く、新陳代謝の良い半月板の辺縁部に限り可能ですが、一旦くっついても、再び断裂してしまうケースも多くみられ、そうなると、結局は切除をしなければなりません。

 

再生とは、失われた組織が再び現れて、元の様に機能することです。今まで半月板の内側部の損傷では、一旦損傷すれば、自然に元に戻ることはなく、切除するしか方法はないとされてきました。特に加齢による変性が進んで、垂直断裂、水平断裂が合わさった複合断裂では切除部分大きくなります。しかし、今、切除をせずに半月板の再生を行う技術が確立されようとしています。

半月板の再生医療

自分の膝関節の滑膜組織を取り出し、自己血清で培養して得られた滑膜由来の間葉系幹細胞を半月板の損傷部位を縫合した場所に、注射器で垂らしていくと再生が望めるという手術です。当初は豚を使用した実験から始まり、半月板の損傷部に滑膜由来の間葉系幹細胞を接着することで約1年後には損傷部分が再生されることが確認できました。2014年の8月から実際に患者さんへの臨床治療が開始されています。半月板の変性が進み、切除しか方法がなかった方への新しい治療法として、半月板の再生医療が確立される日も近いかもしれません。

 

再生医療と言ったら、高額な医療費が発生するのでは?と思いますよね。滑膜由来の間葉系幹細胞を使った半月板の再生医療は、加齢に伴って発生する変形性膝関節症の患者の治療を目標として始められた研究で、「できるだけ低予算で体に負担の少ない治療」ということが根底にあるため、海外で受ける治療の様に何百万とする高額治療にはならないようです。現在は、対象者数が上限に達したため、臨床治療の募集はストップしているようですが、安全性が確立され、通常の治療で、切除術、縫合術と並んで再生医療が選択できる日もそう遠くはないのかもしれません。膝痛で悩んでいる高齢者、辛いリハビリを続けながら、現役を続けるか悩んでいるアスリートにとって、半月板の再生医療は大きな希望となる可能性もあります。

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半月板損傷の治療

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