半月板切除術をしたら変形性膝関節症を助長するか?

半月板損傷では傷んだ半月板をとり除くための切除術が行われることがあります。膝関節のクッションと言われている半月板を切除術で取り除いてしまったら、変形性膝関節症の症状はひどくなってしまうのでしょうか?

半月板切除術で起こる変形性膝関節症への影響

半月板切除術は、半月板の傷んでいる部分を切り取る手術です。以前は半月板をすべて取り去ることもありましたが、最近では最低限の部分的な切除を行います。部分的にでも半月板をとり除けば、とり除いた部分の半月板は機能しなくなるので、当然、膝関節の関節軟骨への負荷は増すことになります。膝関節軟骨への負荷が大きくなれば、変性膝関節症になるリスクは上がります。

 

しかし、半月板損傷で切除術を行う場合は、そのまま半月板を温存していたら膝関節へ悪影響が及ぶ場合です。半月板損傷では、半月板が断裂し、断裂して浮遊している部分やめくれ上がっている部分が膝関節内の組織を刺激し、変形性膝関節症の炎症や痛みを助長します。また、膝関節の大腿骨(太ももの骨)と脛骨(スネの骨)間に断裂している部分が挟み込まれて引っ掛かりを起こすことや、半月板自体の動きが悪くなり、膝関節の動きも悪くなります。膝関節の動きに制限が出ることで、関節面の同じところに負荷がかかり続け、骨棘が形成されて変形性膝関節症の痛みを助長している場合もあります。

 

変形性膝関節症の炎症や痛みを助長している半月板損傷の損傷した部分を切除術によって取り除くことで、炎症や痛みが軽減することもあるのです。

高齢者の変形性膝関節症と半月板損傷

高齢者の変形性膝関節症では、半月板の変性断裂が起こっている場合が多くみられます。変性断裂は、加齢に伴って起こる半月板の老化現象で、若年者のスポーツや外傷によって起こる半月板損傷とは違い、半月板自体が水分を失ってパサパサとなり、縦断裂や水平断裂などが入り混じった複雑な断裂がみられます。

 

変性断裂を起こしている半月板は、通常の弾力がある滑らかな形状・性質ではなく、もろくなっており、表面はガタガタになっています。本来、膝関節の負荷を軽減するクッションであり、滑らかな膝関節の動きを促す潤滑剤であるはずの半月板が、機能していないばかりか、関節への負荷を増しています。

 

半月板切除術を行うと、将来的に変性膝関節症の症状を助長することになったとしても、半月板損傷が、現在進行的に変性膝関節症の症状を助長しているという場合は、損傷部分を切除する方が有効的でしょう。手術をした場合の影響、手術をしない場合の影響の双方の場合の意見を主治医によく尋ね、自分の今後の生活にとって何が一番大切かということをポイントに、手術の選択を行うことをお勧めします。

 

変形性膝関節症の場合、切除した場合、半月板を損傷して手術せずに症状が残っている場合、両方ともにリスクがあると言えます。半月板を手術せずに治療を行った際に半月板の断裂による痛みやロッキングではなく、半月板の位置のズレや大腿骨(太もも)とスネの骨(脛骨)のねじれ、足根骨のゆがみなどが原因で症状が出ていることがあります。

これらを正せば半月板損傷で起きていたと思われる症状もとれ、半月板も存在している状態ですので変形性膝関節症を助長するリスクを減らせます。

半月板を切除してしまうと再び戻すことはできません。そのためまずは半月板を温存しながらいかに痛みの除去、ロッキングなどの解消をするかが年齢を重ねた際に変形性膝関節症になるリスクを減らすことが可能です。

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半月板損傷の治療

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