変形性膝関節症に対する色々な治療がありますがその効果は?

膝の関節に炎症や変形が出て痛みを感じる「変形性膝関節症」。中高年になると発症しやすい病気です。膝に違和感があっても「年のせいかな」とすぐに治療を受けない人が多いですが、放っておけば症状は進行してしまいます。適切な治療を受けて痛みを緩和させ、進行をできるだけ遅らせることが大事になってきます。変形性膝関節症に対しては整形外科での治療と理学療法、各代替医療、サプリメント、インソールなど様々ありますがその効果はどのようなものなのでしょうか?

整形外科での治療

薬物療法

変形性膝関節痛の薬物治療は、炎症を抑え、痛みを軽くするために行われます。薬で病気そのものを治すものではありません。とても重要なことです。湿布を貼ったり、痛み止めを飲み続けても変形性膝関節症自体を治すものではないということを頭に入れておきましょう。

 

薬は内服薬、外用薬、坐薬が用いられます。内服薬と座薬はどちらも非ステロイド系のものです。内服薬は、比較的短時間で効果が表れますが、長期にわたって服用すると胃腸や腎臓、肝機能に影響が出てしまう場合があります。坐薬は内服薬より効果が強く、副作用が現れにくいといわれています。ただし、高齢者など患者さんによっては扱いにくいのが難点です。

 

東洋医学的なお話をすると肝臓の疲労が膝の痛みと関係すると言われています。痛みを緩和するための痛み止めの飲み薬が返って肝臓へ負担をかけ、痛みを助長していることもあるのでそれも頭にいれておきましょう。

 

外用薬は非ステロイド系の塗り薬や、湿布薬などが使用されます。痛みの出る場所だけに作用があるので、内服薬と異なり長期間使用することができます。

 

いずれにせよ、薬を使用するときは、医師の指示に従うことが大切です。勝手に飲む回数を増やしたり、やめてしまったりすれば治療の効果が現れなくなってしまいます。疑問があれば、お医者さんに相談してみてください。

運動療法(リハビリ)

薬と併用して、運動療養を行うと効果的です。運動を行うことには2つのメリットがあります。

 

運動すると血行が良くなり、幹部が温まるため、痛みが軽減したり、関節の動きがスムーズになったります。また、血行が良くなることで、膝に栄養がいきわたるようになり、炎症の原因である老廃物が排泄されます。これによって病気の進行を防いだり、緩和させたりする効果があります。

 

ただし、運動によっては膝に負担をかけてしまうこともありますので、運動治療を始める前には必ずお医者さんに相談したり、理学療法士の指示に従っておこないましょう。

テレビや雑誌などで紹介されている変形性膝関節症を改善するセルフケアは変形性膝関節症の進行度合いによって効く場合は効かない場合があります。そのためセルフケアをして痛みが強くなる場合は行わない方が良いでしょう。

私がお勧めするセルフケアを動画でご紹介します。変形性膝関節症の方は踵の骨がズレてバランスが悪く膝に負担をかけている方が多いです。踵のズレを改善し、痛みを緩和してくれるストレッチです。

注射

変形性膝関節症の治療で整形外科を受診するとヒアルロン酸注射を行うことがあります。ヒアルロン酸は関節内の潤滑油の働きをしていて、軟骨に栄養を与えると言われています。

年齢とともに少なくなってくる潤滑油を注射で足すことで関節の動きをスムーズにするというのを目的におこなわれます。ヒアルロン酸注射をして痛みが改善したという方もいれば全く変わらないという方もいます。

仮にヒアルロン酸の成分が変形性膝関節症に効くのならどの方でも痛みが和らぐはずですが、個人差が出てしまうのはヒアルロン酸の効果ではなく、注射を刺すという物理的刺激により周りの筋肉や腱に何らかの良い影響がでて、痛みがやわらぐのではと訴える医師もいます。

整形外科で大変多く行われるヒアルロン酸注射ですが、変形性膝関節症に劇的に効果があるとはいえないでしょう。

 

変形性膝関節症の痛みが強い場合、ステロイド注射を打つ場合がありますが、ステロイド注射は大変強い痛み止めです。注射を打つことで痛みが和らいだとしても変形性膝関節症の根本原因はなんら変化がありません。そのため、数か月後に痛みが戻ってくる可能性がとても高いです。

痛みがまた戻ってきたのでステロイド注射を再び打つなど何度か繰り返していると膝周りの筋肉や腱がもろくなってきます。ただでさえ負担に弱い膝になっているのに膝周りの筋肉・腱がもろくなってしまうと増々膝にかかる負担は増し、変形性膝関節症を悪化させてしまう可能性もあります。

変形性膝関節症に対してステロイド注射を打つのはその後かなりのリスクがあるため行わないほうが良いでしょう。

温熱療法またはアイシング

変形性膝関節症には温熱療法も効果的です。関節痛などの痛みには、冷却療法が用いられることもありますが、熱っぽく腫れているなど、急性の痛みの場合です。変形性膝関節痛は慢性の疾患です。慢性の場合は温熱療法が効果的なのです。

膝のみを温めるというよりお風呂にゆっくりを浸かって、体全体を温め血液循環を促すようにしましょう。普段もできるだけ冷やさないほうが良いので家の中で裸足になるクセがある方は靴下を履くようにしましょう。冷房の効いた場所へ行くときはスカートはやめてズボンを履いていくようにしましょう。

変形性膝関節症は冷えると痛みが増す傾向があります。そのためアイシングはおこなわないほうが良いです。腫れていても炎症自体は体に悪い反応ではないのでアイシングは行わなくて良いです。

 

「サポーターで温めるのはどうか?」とよく質問されるのですが締め付けの強いサポーターを使用すると返って血流が悪くなるめサポーターを使用する場合は締め付けの弱い保温性のあるサポーターを使用しましょう。○○成分配合などの効果がいかにもありそうな成分が配合されているサポーターもありますが、あまり効果があるとはいえないのでわざわざ○○成分配合の高いサポーターは買う必要はありません。

インソール

変形性膝関節症に対してインソールで改善を図りたい場合、一般的に市販されているインソールでは改善が難しいでしょう。

必ずオーダーインソールを作成することをお勧めいたします。変形性膝関節症は足根骨のゆがみから膝関節の捻じれが起きて軟骨がぶつかりやすくなり、軟骨がすり減ってしまうことがあります。オーダーインソールにより足根骨を正しい位置に矯正すると膝関節のねじれが改善し、変形性膝関節症の進行を防ぎ、痛みの改善がみられることがあります。

足根骨のゆがみは人それぞれ違います。歯の矯正と同じで歯並びは人それぞれ違いますよね。そのため、その方に合わせた矯正が必要であり、オーダーインソールでないとなかなか難しいです。

オーダーインソールを作成する際には足の型取りがとても重要です。距骨を正しい位置に戻した状態で型をとらないといけません。

そのため、立った状態で型をとってしまうとゆがんだ状態で型を取ることになり、良い形に矯正するインソールは作成できません。

インソールは型取りが重要ですので、あまり足に詳しくない所でインソールを作成するのはお勧めしません。ましてやインターネットで販売しているようなインソールはやめたほうがよいでしょう。

身体の動きをみてインソールを作成してくれるところもあります。これは大変画期的ですのでお勧めのインソール作成です。

 

サプリメント

膝の痛みに良いと言われるサプリメントはとても多く販売されています。

グルコサミン&コンドロイチンやコラーゲンなどたくさんの会社から販売されています。それだけ膝の痛みを訴えている方が多いということですね。

残念ながらすり減った軟骨がサプリメントの影響で再生することはありません。どんなに高価なサプリメントでもありません。

医科学的には飲んだサプリメントの成分が腸から吸収されて関節に行き届くというのは考え難いと言われています。吸収自体がほとんどされず排泄されてしまうと言われてしまいます。

詳しくはグルコサミンは変形性膝関節症に効果あり?をご覧ください

整骨院、整体院、鍼灸院などの代替医療

整形外科であまり改善がみられない場合、整骨院や整体院、鍼灸院に通ってみるという選択をする方はいるでしょう。

整骨院

整骨院では保険診療をおこなっている院が多いですが、変形性膝関節症の治療は法律上保険診療では治療できないのです!!

ほとんどの方が知らないと思いますが、整骨院で保険が使える疾患は捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)脱臼、骨折の急性症状です。

変形性膝関節症は急性症状ではなく慢性症状であるため、保険診療ではおこなえないのです。しかし保険診療でおこなっている整骨院は多いですが・・・

現在保険診療でおこなっている治療は電気治療、温熱療法、マッサージをおこなう院が多いです。筋肉をほぐし、血液循環を促すという意味では膝関節に良いですが、この治療法で変形性膝関節症を改善することは難しいでしょう。

整骨院に通うなら保険診療ではなく実費治療をしている整骨院に通うことをお勧めいたします。実費治療で行っている先生は勉強熱心な先生が多く治療技術のセミナーにもたくさん行っている先生が多いです。特に足に特化した技術を学んでいる先生を探すのが何より良いと思います。

整体院

整体院で変形性膝関節症に対する施術をおこなってくれることがありますが、整体は先生によって技術差がかなりあります。整体は国家資格ではないため、主婦の方が「私、明日から整体師になります!」と言えば整体師になれてしまうのです。

そのため、素人に毛が生えたような整体師もいれば、柔整師や鍼灸師など国家資格取得者よりもはるかに技術、知識共に兼ね備えた整体師もたくさんいます。

そのため、どの院に通うかが重要になってきます。整体院は技術差がかなりあるため、知り合いに「膝が痛いんだけど良い整体院知らない?」と聞いて口コミで整体院を探すほうが良いでしょう。

鍼灸院

私自身も鍼灸師であるのでいうわけではありませんが、鍼灸は変形性膝関節症に大変効果が高いと思います。ただしゆがみ等が絡んでいる場合は整体を入れないと改善しないケースもあります。

鍼灸と一概にいっても流派が様々あって膝の痛みのような運動器疾患が得意な先生もいれば、内臓の不調を整えるのが得意な先生、自律神経のバランスを整えるのが得意な先生と得意不得意があります。

鍼灸院としてひとくくりに見るのではなく、膝疾患に得意な鍼灸院を探すのが良いでしょう。

国の規制緩和により鍼灸の専門学校数がとても増えました。結果、鍼灸師の数がとても増えたのと同時に技術のない鍼灸師がたくさん開業してしまっているのも現状です。技術のない鍼灸師に施術をしてもらうと返って副作用がでることもあります。鍼灸を受ける際もしっかりと技術を身につけた鍼灸師に施術をしてもらうようにしましょう。

変形性膝関節症になってしまうのは年齢や筋力低下、体重が根本原因ではありません。根本原因にアプローチしてくれる

整骨院、整体院、鍼灸院探しはその先生がどれだけ膝に関して専門知識を持っているかがポイント

整骨院、整体院、鍼灸院を探す際にポイントになるのがその先生がどれだけ変形性膝関節症に詳しいかがポイントになります。

変形性膝関節症に詳しい先生だと1か月に数十件の変形性膝関節症の治療をするのに対し、月に1人変形性膝関節症の治療をするかどうかという先生もいます。

整骨院、整体院、鍼灸院ではどこが良いというわけではなく変形性膝関節症に対して知識、技術共に兼ね揃えた施術者に施術してもらうのが一番改善への手かがりになることでしょう。