
アキレス腱炎はアキレス腱に繰り返し負荷がかかって小さな損傷が起こり、炎症を起こした状態です。アキレス腱の周囲の痛みや赤み、腫れ、熱感を伴う場合もあります。アキレス腱が起こりやすいスポーツにはどのようなものがあるのでしょうか。
アキレス腱に負担がかかる動作とは
アキレス腱炎はアキレス腱に繰り返し負担がかかることによって起こる障害です。アキレス腱に負担がかかる姿勢とはどのような姿勢なのでしょうか。アキレス腱は、ふくらはぎを構成している腓腹筋、ヒラメ筋の二つの筋肉が踵の上で一つになってアキレス腱となっています。アキレス腱の大元となるふくらはぎの筋肉へ負担がかかるスポーツはアキレス腱への負担も大きくなるのです。
ふくらはぎ、アキレス腱は足首を使う、歩く、走る、段差の上り下りをする、背伸びをする、ジャンプする、踏ん張るなどの動作には全て関与しています。特に、「長い距離を歩く、走る」や「繰り返しジャンプする」、「走っていて急に止まる、ターンをする」、「背伸びやつま先立ちになる」、「後方へのステップ」、「足に力を入れて踏ん張る」を繰り返し行うスポーツはアキレス腱に負荷がかかりやすいスポーツです。
アキレス腱に負荷をかける動作以外の要因
アキレス腱に負荷をかけるのは動作だけではありません。足首を固定されるような硬い靴を履いている時や硬い床の上を裸足で動作する時はさらにアキレス腱への負荷が増します。アキレス腱は地面に着地した時の衝撃を調整するための役割も持っていますが、硬い靴で足首の動きを固定されたり、地面からの衝撃を緩和できる靴を履いていなかったりすると、アキレス腱への負荷が大きくなってしまいます。ふくらはぎの筋肉の柔軟性がない人、足首が硬い人もアキレス腱への負荷が増します。
アキレス腱炎になりやすいスポーツ ベスト5

1.マラソン、ランニング
アキレス腱炎が一番多くみられるのはランニングです。長い時間、長い距離、繰り返し足首の曲げ伸ばしの動きを行うので、ふくらはぎの筋肉の疲労やアキレス腱への負荷もかかりやすくなります。特に、ランニングをし始めた方で、足に合っていない靴、ふくらはぎや足首が硬い人はアキレス腱炎を起こしやすいので要注意です。

2.山登り
坂道や段差、足場の悪い斜面を上り下りする登山も、整備されたアスファルトの地面を歩くのと違ってアキレス腱への負荷が大きくなります。

3.スキー、スノーボード
スキー、スノーボードをした後はふくらはぎの疲れを感じる方も多いのではないでしょうか。足首を固定する硬い靴を履いて、常に股関節、膝、足首の動きを利用しながらバランスをとりますので、アキレス腱への負荷も大きくなります。

4.サッカー
何十分もの間走り続け、ボールを蹴る時やターン、ジャンプなどの動作を、底の硬いスパイクで行うのでアキレス腱に負荷がかかります。

5.ダンス、バレエ
背伸びやつま先立ち、ジャンプ、ターンなど多彩な動きを行うのでアキレス腱に負荷がかかりやすくなります。
その他にもジャンプを繰り返すバレーボールやバスケットボール、裸足で前後へのステップを繰り返す剣道、ステップやジャンプを繰り返すバドミントンなども アキレス腱炎を好発しやすいスポーツです。