
ハイヒールを履いていると踵が痛くなることがありますが、アキレス腱炎ではヒールの靴は良くないのでしょうか?アキレス腱炎とヒールについて詳しくみていきましょう。
アキレス腱炎はヒールで良くなる?
アキレス腱炎はジャンプをしたり、走ったり、グッと踏ん張るような動作を繰り返し行うことで、踵の上に痛みが生じます。アキレス腱に繰り返し大きな負荷がかかることで、微細な傷がつき、傷が修復される段階で炎症が起こって痛みとなって現れるのです。
アキレス腱炎の痛みは、アキレス腱が繰り返し伸び縮みする時に起こります。アキレス腱が伸び縮みするのは足首を反らす動き、伸ばす動きが繰り返されるときです。
走ったり、歩いたりする動作の時には、足首を反らし、足を前に振り出して着地し、着地してからは足首を伸ばす形で、つま先で地面を蹴り出して前に進みます。この足首の動きが大きくなればなるほど、地面へ着地する時の衝撃が大きいほど、痛みが増すことになります。
歩くよりも走ったり、ジャンプしたりするときの方が足首の動きは大きくなり、アキレス腱へかかる衝撃も大きくなるので痛みは増します。
歩く時に、初めから少し踵を高くしておけば、足首の動きは小さくなります。しかし、踵の高さを高く過ぎると、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)に力が入ることによってアキレス腱が引っ張られ、アキレス腱に負荷がかかります。
また、踵の細いヒールを履くと、地面に着地した時の衝撃が、靴底がフラットな靴に比べて、ヒールの先の狭く硬い点にかかり、アキレス腱に伝わる衝撃も大きくなります。
アキレス腱炎で痛みがみられる場合は、着地時の衝撃を和らげるようなジェルやクッションが使用されている、少しヒール部分が高くなった(やや底足(つま先が下がる)となるぐらい)ヒールパッドを靴の底に敷くことが適しています。
靴も衝撃を緩和できるようなクッション性のある靴が適しており、底の硬い靴や幅の狭い靴は避けた方が良いでしょう。
ヒールを履いたらアキレス腱炎になる?

ハイヒールをはいていると靴の踵部分に当たるところが痛んで赤く腫れることがあります。これは、ハイヒールのような踵部分が狭く硬い靴を履くと、アキレス腱と踵の骨の間にある滑液包が圧迫され、滑液包が炎症を起こすことによります。
靴擦れは皮膚と靴とが擦れることで皮膚に傷ができて炎症を起こしますが、アキレス腱皮下滑液包炎では、圧迫された滑液包が炎症を起こします。
踵の骨の出っ張りが靴の踵部分に当たって圧迫されている場合が多く、ヒールパッドを入れて、靴の踵部分に当たっている足の位置を変えることで痛みが緩和します。
新しい靴に変えた時にアキレス腱皮下滑液包炎はみられることが多いですが、土踏まずが高い(ハイアーチ)方は、踵の骨も上に位置するため、靴の踵部分に踵の骨が押されやすい傾向があり、繰り返し症状を起こしやすいと言えます。
踵の広めの靴を選ぶ、踵部分にクッションパッドを貼る、ヒールパッドを入れるなどの対策が必要となるでしょう。