股関節が痛くても原因が他の場合、股関節を治療しても改善しない

股関節は人間の体の関節の中で一番大きな関節であり、股関節に痛みを訴える方は歩くときでも痛みを伴うので日常生活でも不自由な生活を余儀なくされます。

股関節の痛みを訴えて、整形外科を受診し「関節の隙間が狭まっているから、軟骨がすり減って起こる変形性股関節症」だと診断される方は年々増えてきています。

しかし、軟骨は痛みを感じる痛覚受容器をもたないため、軟骨がすり減ってもすぐに股関節の痛みが起こるわけではありません。

軟骨のすり減りが痛みの原因だと考えて、患部に電気を流したり、股関節周りの筋肉をほぐしたりしても一向に治らない場合があります。

股関節の痛みの原因が股関節にない場合、いくら股関節周りを治療をしても痛みの改善にはつながりません。

では股関節の痛みの原因として考えられるのはどの部位でしょうか?

 

腰椎椎間関節由来の股関節の痛み

股関節が痛いと感じていても腰の骨、腰椎の椎間関節(ついかんかんせつ)という部分が原因の場合があります。

椎間関節とは一つ一つの背骨をつなぎ合わせる関節の一つで上の背骨と下の背骨をつなぎ合わせるのが前側が椎間板、後ろ側が椎間関節です。

椎間関節は小さな関節ですが、椎間関節を包む袋(関節包)はとても敏感に働くため椎間関節にズレなどが生じると強い痛みを起こします。

椎間関節をひねるとギックリ腰になることもあります。

椎間関節を痛めると腰痛も起こすのですが、股関節の前側(鼠径部)やお尻、股関節の外側へも放散痛を引き起こします。

そのため、一見股関節周囲の痛みだと判断され、股関節周辺の治療をおこなっていたが、実は椎間関節が原因の股関節痛であったということも考えられます。

この場合、椎間関節の治療をしっかりと行わないと股関節痛の痛みの改善につながりません。

特に下位腰椎椎間関節の障害になるにつれて臀部痛、鼠径部痛、大腿外側痛などの放散痛を感じやすいです。

椎間関節性の股関節痛であるかの見極め方

椎間関節由来の股関節周囲の痛みである場合、ほとんどが腰痛も併発します。

そのため、股関節痛プラス腰痛がある場合は椎間関節由来の股関節痛も頭に入れておいた方が良い出しょう。

しかし、腰痛プラス股関節痛=椎間関節性だとは言えないので注意してください。

股関節の痛みは様々な病態が複合していることもあるので原因がこの1つということは少ないです。

複数の病態による痛みであるため、痛みが長引いたりすることが多いのです。

椎間関節も股関節の痛みと関係しているのかを見極める際に腰椎の際の筋肉、多裂筋の硬さを調べてみてください。

椎間関節と多裂筋は同じ神経支配であるため、椎間関節に障害が起こると、多裂筋が硬くなります。

例えば横向きで腰に力の入らない体勢をとってもらって多裂筋を触っても硬い場合は椎間関節に障害が起きているかもしれません。

さらに痛めていると思われる椎間関節部を押圧すると腰に痛みを訴えます。

腰痛がある

多裂筋が硬い

椎間関節部に圧痛がある

となると椎間関節由来の股関節痛である可能性が高いです。

 

また椎間関節由来の股関節痛である場合、患者に「どの部位が痛いですか?

と聞くと「ここら辺」という感じで周辺部を指します。指一本ではこの部位と確定できないような痛みであるのも特徴の一つです。

骨盤前傾は負のスパイラルになる

骨盤前傾が過多になると股関節の関節位置が悪くなり、股関節痛を引き起こすのですが、骨盤前傾位は腰椎を前弯させるため、椎間関節にかける圧迫力も大きくなり、椎間関節性の腰痛、股関節痛を引き起こします。

椎間関節に圧迫力が加わ和ると多裂筋が硬くなります。

多裂筋が硬くなるとさらに椎間関節にかかる圧力が強くなるので腰痛、股関節痛はさらに強くなります。

このように一つの姿勢異常が様々な組織への負担となり、痛みを引き起こします。

ただ単に一つの部位を見ていても痛みの改善に繋がらないのはこのような病態があるからです。

股関節の痛み一つをみても様々な角度から本当の原因を考えるとが重要です。