オスグッド・シュラッター病とは?

これは、病を発見した2人の医師の名前から取られた病名です。1人はボストンの整形外科医のロバート・ベイリー・オスグッド、もう1人はチューリッヒの整形外科医カール・シュラッターです。一緒に研究をしていた訳ではなかったのですがこの2人がほぼ同時に見つけたので「オスグッド・シュラッター病(症候群)」名付けられました。
長いのでオスグッド病という略称で呼ばれることが多いですが、正式名称は「オスグッド・シュラッター病」です。
発育の目覚ましい子供時代に起きることが多いので1つの「スポーツ障害」と幅広く知られています。
子供には成長痛もありますから、「この痛みは病気ではなく成長痛では?」と思う人もいますが、オスグッド病の痛みは決して成長痛ではありません。
なぜ発達途中の子供にこの病気が多いのかについては、研究は進められているものの、ハッキリとした原因を突き止めるには至っていません。
この病気は、「運動をする時に痛い」「膝の下が腫れる」「膝の下が熱っぽい」という症状が出るのが特徴です。
「脛骨粗面」が膨らむ、膝のお皿から下が広範囲にわたって熱っぽくなり、最初は運動をする時以外では傷むことがないので、多くの場合発見が遅れてしまいがちになってしまいます。
オスグッドの基礎知識

膝の周囲には大きく分けて4つの骨があることが分かります。
「大腿骨(だいたいこつ)」、「膝蓋骨(しつがいこつ)」、「脛骨(けいこつ)」、「腓骨(ひこつ)」です。
太腿(ふともも)の前部分には「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」と呼ばれる筋肉がありますが、これは膝蓋骨(しつがいこつ)膝の下の脛骨(けいこつ)にくっついています。
また膝蓋骨(しつがいこつ)から脛骨(けいこつ)の間の部分の筋肉は、「膝蓋腱(しつがいけん)」と言います。
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が柔軟に伸びたり縮んだりする能力があるおかげで、膝を自由に曲げたり伸ばしたりすることが出来ます。
10代は成長過程ですので、脛骨(けいこつ)が完全な骨になってない「軟骨」の状態です。
大腿四頭筋(大腿四頭筋)・膝蓋腱(しつがいけん)と脛骨(けいこつ)もそんなに強い力で結ばれている訳ではありません。
ですから、成長期の子供に発症しやすい疾患といえます。
膝への負担や牽引作用が繰り返し働くことによって炎症が起きてきます。
脛骨(けいこつ)先端より少し下部の前面に限定して痛みや腫れなどの症状が表れます。
レントゲン写真でも比較的はっきりとした症状が出ます。
オスグッド病の症状
大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)に歪みが生じたまま激しい運動をすると、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)がいつもよりも筋緊張状態になり脛骨粗面(けいこつそめん)で牽引がかかることにより、痛みが出ます。
これを「ジェンガ」という遊びに例えると、プレイ開始時のジェンガはきれいに積み上げられているので安定感があります。
プレイを続けていくとジェンガは不安定なり、時折向きが変わって飛び出すジェンガブロックが出てきます。飛び出たジェンガの状態では不安定であるため安定させようと筋肉が緊張します
激しい運動を行う成長期の子供は、太ももの筋肉をよく使います。
そのため太ももの筋肉が縮みやすく膝蓋靭帯(しつがいじんたい)を通して脛骨粗面(けいこつそめん)が強く引き延ばされてしまいます。
その力が強いため成長軟骨(せいちょうなんこつ)が裂けてしまって上へと持ち上がり脛骨粗面(けいこつそめん)が膨らんでしまいます。
この症状が痛みや腫れを起こす正体です。
どのような運動に激しい筋肉動作があるのかというと、「ジャンプ」「ダッシュ」を頻繁に繰り返す運動です。
ある1日だけ痛みを感じその後は治まっているような、突発的な痛みなではなく運動時に強い痛みがあったり膝の下が腫れたりします。
よく見られる症状としては次のようなものがあります。
・スポーツをしていると痛む
・スポーツをしているときは平気だが終わった後が痛い
・正座をすると膝の下が当たっていたい
・正座そのものが出来ない
・自転車をこぐと痛い
・階段の昇降が痛い
・膝が冷えると痛い
・同じ姿勢で座り続けると痛い
・あぐらが痛い
オスグッドの原因
何故オスグッド病になってしまうのでしょうか?
成長期の子供の骨の成長速度に筋肉や腱の成長が追い付かない
太腿の筋肉が張りすぎてしまっている
筋肉を使いすぎ(オーバーユース)になっている
足の骨に歪みがあると、「膝蓋靭帯(しつがいじんたい)」が「脛骨粗面(けいこつそめん)」を引っ張ってしまい発症する
「大腿骨(だいたいこつ)」は、運動時歩行・ダッシュ・一瞬体重を片側にかけるなどの動作をしたときに内旋します。
その一方で脛骨(けいこつ)=すねの骨=は反対に外旋します。
その結果大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)は交差し、その影響で大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と膝蓋靭帯(しつがいじんたい)も捻じてしまうのでお互いに引っ張り合って張り詰めた形になってしまいます
すると膝蓋靭帯(しつがいじんたい)はくっついている脛骨粗面(けいこつそめん)の成長軟骨(せいちょうなんこつ)部分をギリギリまで引っ張ろうとしてしまうので、結果オスグッド病になります。
オスグッド病になりやすいスポーツ競技
オスグッド病は、スポーツをしている子供なら誰でもかかる可能性がある病気です。
どのようなスポーツのどのような動作において、発症しやすいのでしょうか?
飛んだり走ったりという動作が多いスポーツに多く発症例が見られますが、まず片足が痛くなります。
痛みを我慢しながら、痛い方の足をかばって競技を続けていくとやがては反対の方の足も傷めてしまいます。
また練習量がハードで、その子の持っている運動量を超過してしまったり、試合が近いからと頑張りすぎたり、痛みを訴えて練習を休むことで周りの反応が気になったりと、子供なりの精神的苦痛も重大な原因になっています。
特に発症の可能性が高いといわれているスポーツと状況を紹介します。
・サッカー
サッカーは足を使う競技で、インサイドやアウトサイドでパスを出します。
特にインサイドパスの形は足を大きく外旋(外側回り)をします。
そのためインサイドパスを繰り返していると脛の骨が外旋へ歪んでいきます。
また接触プレイも多く、走るだけでもストップ&ゴーを繰り返します。
軸足にも体重を支える負荷がかかり、蹴る足にもある程度の衝撃が加わります。
足の骨格バランスが悪くなると、オスグッドや捻挫を発症しやすいスポーツです。
・バスケットボール
バスケットボールもとてもハードな競技です。
常にダッシュを繰り返し、シュート時の片足でのジャンプや着地時のダメージが強く、ゴール前で混戦状態になった場合は数人で重なり合って倒れてしまうこともあります。
病院に行くほどではない程度の小さな捻挫を繰り返している場合に、オスグッド病を発症するケースが多くみられます。
・バレーボール
バレーボールでは、特にスパイカーに発症する子供が多くみられます。
スパイクやアタックを打つときのジャンプや着地時に傷める事が多くあります。
またレシーブでも膝を深く曲げたり、無理な体制でボールを受けたりすると膝を痛め
る要因になります。
他にも「ハンドボール」「テニス」「陸上競技」「スケート」「フィギアスケート」「野球」等
膝の屈伸を利用してジャンプしたり、走ったりすることが多い競技にはオスグッド病を発症しやすい子供が多いという傾向があります。
また、捻挫をすることにより外くるぶしに繋がる腓骨(ひこつ)という骨が歪んでしまいます。
腓骨(ひこつ)単発の歪みではすぐに痛みが発症しないこともありますが、きちんとした治療をしないで放置していると他の部位の骨も徐々に歪んできて、様々な部位に痛みが発症してきます。(「膝痛」「オスグッド病」「股関節痛」「足底筋膜炎」など)
オスグッドの治療
整形外科での治療
近年の医療では、子供が小さいうちは手術を行うのは肉体的にも精神的にも負担が大きいので、可能な限り「保存療法」や「装具療法」を中心に行っていくのが基本です。
ただ、これはごくわずかな例しかありませんが脛骨粗面が離れてしまい、骨が危険な状態の場合は特例として摘出手術を行う場合があります。
炎症状態が治まるまでは、自然治癒力を基本とした「安静治療」を行うのが主流です。
炎症や痛みが強く激しい場合は、「非ステロイド系抗炎症剤」を一時的に使用する処置方法もあります。
また痛みや熱感がある場合は「アイシング」で一時的に幹部を冷やし炎症を抑えることもあります。
氷嚢もしくはビニール袋に水と氷を入れて、15分から20分冷やします。
この時体全体が冷えないように、幹部だけを冷やす工夫をすることが大切です。
一時的に痛みが引いたら、アイシングは即中断してください。
幹部を冷やしすぎると血流が悪くなり筋肉が硬くなってしまい、結果的に症状を悪化させる危険性があるからです。
痛みが引いた後は、入浴等で幹部をゆっくり温めて血行を良くして下さい。
当院での治療
整形外科医などで受診をしてオスグッド病と診断された場合「運動の中止と安静」といわれることがほとんどです。
しかし学生時代のスポーツでは、プレイできる期間はとても短くその年代でしか出場できない大会も多々あります。
そのチャンスを逃すことになるような長期安静は、子供の心身に多大なストレスを与ることにもなってしまうでしょう。
子供がストレスを感じないで治療に専念する気持ちになれるよう、また1日でも早く競技に復活できるようにするための当院では即効性がありかつ再発をおこさないよう根本原因から改善する治療をおこなっています。
①体の連動性を取り戻す
オスグッドになってしまう子は体の連動性が欠けてしまっている場合がおおいです。
体の連動性とは簡単にいうと体全体を使った動きができている状態です。
例えば蹴るという動作ですが、連動性のとれている体だと、足の筋肉から骨盤、脊柱起立筋、上肢と全体の筋肉をバランスよく使うことで一つの筋肉にかかる負担は少なくなります。
一方、普段の不良姿勢などで脊柱起立筋や骨盤回りの筋肉が硬くなっていたりすると体の連動性は欠けてしまいます。この状態で蹴ると下半身の筋肉に余計に負担がかかってしまい疲労を起こしやすくなります。筋肉は疲労をすると硬くなり縮んでしまうためオスグッドを引き起こしやすくなってしまいます。
だたオスグッドの原因である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を緩めても体の連動性の欠如により引き起こされているオスグッドである場合、再び痛みが戻ってしまう可能性があるため、当院では脊柱起立筋、骨盤まりの動きをよくする鍼治療をおこなっていきます。
②ゆがみを矯正する
過去に捻挫の既往があったりすると、足の骨(足根骨)に歪みが生じ、そのゆがいが徐々に上へと伝わり膝関節でねじれを起こしてしまう事があります。膝関節に捻じれがあると周りの筋肉は緊張状態になります。
この状態で運動をしていると緊張したままの筋肉は疲労しやすく硬くなってきます。太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が硬くなるとオスグッドの原因となってしまいます。
下肢のゆがみが原因でオスグッドを引き起こしていることもあるため、ゆがみが強い人に対しては下肢の矯正をかけていきます。当院がおこなっている矯正はとてもソフトな矯正なので痛みは一切伴いません。
ゆがみを正すことで下肢の筋肉の余分な筋緊張が緩和し、オスグッドの原因となる大腿四頭筋の緊張も和らげることができます。
③筋膜などの癒着をはがす
激しい運動を続けていると筋膜が癒着してきてそれが痛みを引き起こすここともあります。オスグッドの痛みも筋膜の癒着由来のものもあるため、癒着している部位を手技ではがしていきます。
オスグッドは成長痛と一般的に言われますが、同世代の子でもオスグッドになる子とならない子がいます。その原因は成長期に
①体の連動性が欠如している
②下肢の骨にゆがみがある
③筋膜の癒着がある
この3つの原因がいずれかまたは併発することでオスグッドを引き起こします。骨の成長が原因であるなら背の高い子が全てなるはずです。確かに背の高い子はなりやすいですが、これは骨が伸びる速さとプラス背が高いことで姿勢が悪くなり、体の連動性が欠如している場合があります。
オスグッドシュラッター病は成長痛であるため整形外科では安静にするしか方法がないといわれまずが上記の3つの原因を取り除けば早期に競技への復帰が可能です。
自分でできるセルフケア
ストレッチ
オスグッド病を1日でも早く治すためには、自宅でも根気よくケアしていくことがとても重要になってきます。
整体や接骨院での施術はもちろんですが、それだけではなく普段からケアすることが早期復帰へのカギとなります。特にオスグッド病を発症しただけに限らず、運動前後や日常生活でのストレッチや柔軟は様々な怪我の予防にも繋がりパフォーマンス向上にも繋がります。
成長期の子供たちには筋トレは成長を止めてしまう可能性がありますのであまりお勧めはされていません。
むしろどのような状況にも対応できる体の柔軟性や関節の柔らかさ、筋肉をつけても耐えられる基本の体を作っていく方が将来を見据えた上でも大切になってきます。
この機会に今後の成長にも役に立つストレッチを習慣化させましょう。
ストレッチを始める前に大事なことは、「お風呂にゆっくり浸かって入る」習慣を身に着けることです。
入浴には筋肉を緩め疲労を回復する効果があります。
オスグッド病になりやすい子供には、シャワーだけで終わったり湯船に浸かっても時間が短かったりするという傾向があります。
入浴後のストレッチは1番効果が得られますので、入浴はとても大切です。
オスグッド病に効果のあるストレッチの動画を紹介します。
痛みのある方は、毎日続けるといいでしょう。
ですが「ストレッチをすると逆に痛みが強くなる」場合はストレッチを中止してください。
膝蓋靭帯(しつがいじんたい)が脛骨(けいこつ)に付着する部分の炎症が激しいため、この時期のストレッチは逆効果になるからです。
オスグッドシュラッター病は大腿四頭筋が硬くなり、脛骨粗面をひっぱってしまうと痛みは強くなります。そのため、大腿四頭筋のストレッチを行ったほうが良いです。ただし、片足正座の状態でやる一般的な大腿四頭筋のストレッチはちょうど痛い部分が地面にぶつかって痛みをおこすためできません。地面に痛い部分をつけずにおこなえるストレッチ法を動画ではご紹介しています。
マッサージ
マッサージも痛む患部を問題だりするよりも大腿四頭筋を緩ますマッサージを行っていただいたほうが良いです。
特にお風呂の中など体が温まった時は筋肉への血流が良くなっているのでその時におこなうのが良いでしょう。
動画では椅子に座って行っていますが、同じやり方でお風呂の中でやっていただいても平気です。

多くの整骨院・整体院では1つの技術を学び、その技術で施術を行います。
言うなれば、1つの技術しかないため対応できない症状も存在するのです。
しかし、当院はちがいます。
院長自らが全国へ赴き、良いと言われる技術はすべて習得してきました。
そのため、その方の症状・体質に合った最速最善の施術法をご提供することができます。

当院には、トップアスリートが多数ご来院いただいております。
お名前は控えさせて頂きますが、Jリーガー・オリンピックメダリスト・ボクシング世界チャンピョン・プロレスラー・プロゴルファー・実業団ランナー・大学駅伝ランナー・プロダンサーの方の症状を改善へと導いてきました。
身体を資本とする選手の方々が頼りにしてくれる施術院であることをうれしく思います。

土井治療院は、多くの雑誌や健康本などに掲載されています。
テレビでは、報道番組『news every』への「スマホ肘」に関する取材も協力いたしました。
また、読売新聞や神奈川新聞など新聞媒体にも掲載。
これは施術業界では珍しいことです。
これも、地域をはじめとした皆々様にご支持いただいたおかげです。
Q1. 治療院に来る前どのような症状でお悩みでしたか?
ミニバスケットボールを4年生から始めましたが、1年経った頃から膝の痛みを感じる様になりました。早く動きたいのに、膝の痛みで体が思う様に動かず苦しい思いをしていいました。近所の整骨院でオスグットだと言われたのが1年半前だったのでミニバス生活の半分は痛みを堪えて、激しい試合では涙を流しながらプレイする程でした。
Q2.この治療院のどんな所が「いいな」と思いますか?
小学生の女の子なので男性より女性に施術していただけたのが本当に有難かったです。予約制なので無駄に待つ時間がなくて良いなと思いました。手丁寧に説明してもらえた事も安心して通えた1つの要因です。
Q3.施術を受けての変化、感想をお聞かせください
回を重ねるごとに「痛い」と言わなくなっていた事、ミニバスのプレイも膝の痛みで思う様に出来なかった事がスムーズに出来るようになり、プレイの幅が広がりました。階段を1段上がる度にため息をもらしていたのが嘘の様です。本当にありがとうございました。
Q4.同じような症状でお悩みに方にメッセージをお願いします。
痛みをガマンしながらでは上手になるものもなりません。私は土井治療院さんに通って本当に良かったです。残り少ないけれど、ミニバスを思い切り楽しみたいです。